無双過去夢
□Bath Room
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『Bath Room』
京の都で未だに抵抗を続ける残党の討伐を終え、京の城で休んでいる時のことだった。
「小太郎様、この城には露天があるようです。お疲れになっているでしょうから、入ってゆっくりやすんでください。」
ついてきていた葵が書物を読んでいる小太郎の背後から話しかける。
「……我は後でかまわん。先に入ってこい。」
「いいのですか?」
「あぁ」
振り返らずに葵にそう告げると、
「では、お先に失礼します。」
そう言い、葵は部屋を後にした。
それからしばらくして、書物を読み終え、小太郎も温泉へと向かう。
着ていた衣服を脱ぎ捨て、ガラガラと引き戸を開けると、中から聞き慣れた声が聞こえた。
「こ、小太郎様!?やっ、どうして・・・///」
温泉に浸かっていた葵が小太郎の姿を見るなり顔を真っ赤に染め、持っていた布で必死に前を隠そうとする。
そんな状況に、小太郎が不適な笑みをもらしたのは言うまでもない。
「フッ……まだ入っていたのか………それとも、我が来るのを待っていたか?」
「そっ、そんなわけないでしょう!!///」
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