無双過去夢
□LOVE MEDICINE
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それはある日の夜、三成の悪戯から始まった――――――
『LOVE MEDICINE』
「三成様!こんな所にいらしたんですか。おねね様達が探しておられましたよ?」
「………そうか」
「いいんですか?三成様が祝宴の席にいなくて」
家康討伐戦を終え、大勝をあげた豊臣軍は諸将に功を与えるとともに、大きな祝勝の宴を開いていた。
「俺などいない方がいいだろう。」
「そんなことないですよ!」
その宴に一人出席せずに三成は月の見える城の庭園を望みながら書簡を読んでいた。
「大勝をあげた時くらい、大きく祝いましょうよ、ね?」
葵がすくっと立ち上がっても、三成は動く気配もない。
「………三成様」
そんな三成の様子を見て、少し、ふぅ、と溜め息をつきながら葵は三成を見る。
「宴などに出るより………ここでお前に酌をしてもらう方がいい」
三成は読んでいた書簡から目を離し、葵の眼を真っ直ぐに見る。
その真っ直ぐな瞳に惑わされそうになり、少し視線を落としながら葵は小さな声で言う。
「でも………///」
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