無双過去夢
□Mine
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『Mine』
「ぁ……そこは、ダメです…っくぅ………」
それは、左近の部屋へ資料を取りに向かった時だった。
「っダメ……っく………」
左近の部屋から聞こえてきたのは、紛れもなく葵の声。
それも、情事の時のようなあまりにも甘い声だった。
その声が聞こえた瞬間、俺は廊下に立ちつくした。
「あっダメ!……痛い…ですっ………!!」
「でも気持ちいいでしょう?」
痛い?気持ちいい?
………何をしているんだ……?
「っあ!違、います……!そこじゃ、なくて………」
「ここですかい?」
「ひぁあっ!!」
俺の頭の中をよぎるのは、一番考えたくないことばかりだった。
左近が、葵を抱いている―――――――?
腹が立つどころの問題ではない。もしそうであれば左近にそれ相応な処罰を与え、葵は俺の部屋に一生閉じ込めてやる。
それに、俺の前では普段言わないくせに、左近に気持ちいい場所まで教えている。
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