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□何よりも真剣勝負
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今月は凌統+甘寧夢です。
若干ギャグ。
短いですので、小ネタの感覚で読んでいただけると嬉しいです!
「甘寧なんかと喋ってたら馬鹿がうつるって。ほら、離れた離れた」
鍛練を終えた甘寧様と話をしていると、同じく鍛練終わりの凌統様が汗を拭きながらやって来て、そう言ったのは数分前の事。
「あぁ!?誰が馬鹿だ!?テメーなんかに言われたくねーんだよクソ凌統!」
「あんたのほうがクソだろーが甘寧!」
「はッ、どーせ俺がこいつと喋ってたのが羨ましいんだろー?」
「ちげーっての!馬鹿がうつる前に助けてやったわけ!あんたこそ何なんだよ、ちょっと喋ったぐらいでデレデレしちゃて、気持ち悪いったらないね!」
「あ゙ぁ!?もっぺん言ってみろや凌統ぉぉ!!」
………すごく険悪な雰囲気が漂っている。
二人に挟まれた私はいったいどうしたらいいんだろうか。
「あ、の」
挟まれたままの状態で声を出したが、私の頭上で言い争っている二人には聞こえていないようだ。
「け、喧嘩両成敗!」
どうにかこの口喧嘩を止めようと、私は二人を遮るように両手を上げた。
すると。
「ぶっ」
「いてっ」
身長差のせいで、私が伸ばした手は見事にそれぞれ二人の顔に直撃した。
「「〜〜〜〜〜〜ッ!」」
口喧嘩は収まったが、二人は顔や鼻を押さえて痛みに耐えている。
「ご、ごめんなさい!」
「お前な、もっとマシな方法で止めろよ!」
「ごめんなさいぃぃ」
鼻にクリーンヒットしたのか、赤くなった鼻を押さえている甘寧様に思いっきり怒鳴られてしまい、私は体が縮まってしまう。
「あーぁ、バ甘寧が頭ごなしに怒鳴るから怖がってるでしょ。ほら、馬鹿がうつるからこいつからは離れた方がいいって」
凌統様はもう痛みが引いたのか、平然としている。
ふわりと腰に腕が回され、凌統様は後ろから覆い被さるようにして私の体を緩く抱き寄せた。
背中に温もりを感じ、不覚にも少しドキっとした。
「ぅお゙ぉい!!テメーなに気安く触ってんだゴルァァァ!!」
「はぁ?別にあんたのモンじゃないんだしどうしようが俺の勝手でしょーが」
私の頭の上に顎を置いて、凌統様はさらりとそう答えた。
………この身長差、すごくイイとか思ったのはまた別の話。
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