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□たまには笑って、
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『たまには笑って、』














違う、






君のように、












上手く笑えないだけなんだ――
















あの人の笑顔を、あまり見た記憶が無い。


一度くらいなら見たような気がするが、それは私に向けられたものではなく、幸村様や兼続様などの心を許した方と話している最中での事だった。






(私には、笑顔を見せてはくれないのかな…………)






三成様を待つ間、一人きりの部屋でそんな事ばかりを考えていた。

こんな事で悩んでいるなんて、他の人に言ったらなんて小さな事で悩んでいるんだ、と思われそうだ。




三成様はもともと、そんなに笑う方ではないと分かってはいるが、それでも私には笑顔を見せてくれない。



笑うのが嫌いなんだろうか………?



もしそうだとしたら、私ばかりヘラヘラと笑っているのを快く思っていないかもしれない。




そう考え始めると自分が情けなく思えてくる。
どうしようどうしようと、私は一人で頭を抱えてうなだれた。











「……………何を一人で百面相している?」






不意に三成様の声が降ってきた。



驚いて顔を上げると、少し呆れたような表情をして立っている三成様がいた。





「えっ、あっ、いや……少し考え事を、していて………そんなに百面相でしたか?」


「あぁ、変な顔になっていた」


「へ、変な………っ//」



淡々とした口調で言われ、思わず顔が赤くなると同時になんだかそんな自分が可笑しくなって笑ってしまった。


しかし、



(はっ、またヘラヘラと笑ってしまった!)




ここでやっと気が付いた。
やはりこうやってヘラヘラと笑ってしまうのがダメなんじゃないか、と。










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