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□限界値
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『限界値』











「これから一週間、近づかないでください。」















この日、私は元親様に禁欲生活を宣言した。















「何故だ。」





元親様は目を見開いた後、一言つぶやいた。





「もう無理です。いい加減限界です。体が持ちません。」








私はそっぽを向いてそう言った。


毎日毎晩元親様に抱かれ続け、体は常に怠い状態。
そんな生活の中でたまには休息がほしいと思うのはごく自然なことだと思う。











「俺も無理だな。」





元親様はさらっとそう言った。








「少しは私の事も考えてください。いつも嫌がっているのに力ずくで…………酷い時には夜這いまで………………」




ため息をつく私とは対照的に、元親様は少し口角を上げた。










「そんな事を言いながら毎日毎晩俺に縋り付いて快楽に溺れているのは誰だ?」


「…………元親様の見間違いじゃないですか?」







少し頬が熱くなったが、ここは冷静にと、悪態をつく。













「……こんなに性欲の強い方だとは思いませんでした……………」


「お前のせいだろう。俺の性欲が強くなったのも、お前がそんなに愛らしいからだ。」





眉をしかめてため息をつく私に向かって躊躇なく放たれた言葉に、呆気なく頬が赤くなる自分が憎い。














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