拍手文
□ココロ奪ウ
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いつからなのかもわからない
気が付けば
心も
思考回路もすべて
君に奪われていたんだ
『ココロ奪ウ』
「申し訳ありません………少し、無茶をしてしまいました」
勝ち戦と言われた今日の戦だったが、敵方は散り際だけでも華々しくと底力を見せ、勝利を確信し油断していた我が軍に襲い掛かった。
「だから言っただろう、最後まで油断するなと」
そんな中で清正様だけは戦況を見極めて冷静だったわけだが、馬鹿正直に突進して行った私は腕に傷を負った。
「すみません………また、手を患わせてしまって…………」
傷の手当てをしてもらいながら、私は俯いてつぶやいた。
すると、清正様がため息を一つ。
「………分かってるんなら、いつもいつも一人で突進するな。馬鹿」
呆れた声で清正様が言う。
その表情は、少し怒っているようにも見えた。
「すみません…………」
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