Dream!

□君の頬を赤くした
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「元直様、元直様」




前方を歩く徐庶の姿を見つけると、葵はパタパタとその背中に駆け寄った。




「葵」


聞き慣れた声に振り向いた徐庶は、自分を見上げる葵にどうした?と声をかける。






「また寝癖ついてますよ!今日は軍議がある日でしょう?ちゃんと直しておかないと」




短いながらも癖っ毛である徐庶の髪は一部が妙な方向にハネて、明らかに寝癖だということが分かる。






「あーまたか…気付かなかったな」


「気付かないんじゃなくて気にしてないんでしょう、元直様は!」



葵が少し頬を膨らませて言うと、徐庶はその通りだ、と言いながらふわりと笑って無造作に頭を掻いた。





「もう……あまりだらしないと周りの評判悪くなっちゃいますよ?元直様、才能もあって大切な方なのに」




そう言いながら、葵は寝癖を直す気の無さそうな徐庶の変わりに、手を伸ばしてそのハネた髪に触れた。



「ん」



手が伸びてくると徐庶は少し体を屈め、葵に高さを合わせながら、葵が言った「大切な方」とは、軍全体にとってなのか葵個人にとってなのかとぼんやり考えた。












「直りませんね……水で濡らさなきゃダメかな…?」




徐庶が自分の発言について考えているなどとは露知らぬ葵は、どうにかハネた髪を平らにしようと格闘していたが、おさまってくれない髪に困り声を漏らす。






「…夫婦みたいだな」


「へっ?」




ふっ、と小さな笑い声をもらして呟かれた徐庶の発言に、葵の手が止まった。









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