拍手文2

□全てを包み込む
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今月は元親夢です。
後半から裏夢になるので苦手な方はご注意ください。
(もれなく駄文です…)






















不意に私を抱きしめた





その腕から伝わる






優しさと温もりは




相変わらず





そして今日は















一抹の不安―――――――




































「――――っくし!」






徐々に季節が冬へと移り行くこの時期、昼間は暖かくても夜は一気に気温が下がる。


私は一つくしゃみをした。












「―――――今夜は冷える。無理をするな」





書物を読んでいた私の背中に布を掛けてくれたのは、元親様。










「だから城にいろと言っただろう。風邪を引くぞ」


「構いません。ここにいます」










笑顔でそう答えると、元親様は小さなの苦笑いと共に溜め息のような息をもらした。



















今夜は冷える。確かにその通りで、ここ数日の中でも特に寒い夜だ。



しかも今私達がいる場所は、城ではない。
城は一応見えるが、城や城下町からは少し離れた合戦場。その陣屋内。




















「――――――……元親様…?」








座っている私の後ろで立っていた元親様が、おもむろに私の腰に腕を回し、ぎゅっと体を寄せた。








「………元親、さま」







そのまま、私の首筋や耳に唇を寄せる。くすぐったくて、少しだけ体を捩った。



















「……らしく、ないですね」






唇が離れていった後、元親様を見上げて苦笑まじりに呟いた。
















「…………そうだな」



元親様もまた、苦笑まじりで答えた。






















今回の戦は大規模なものになると、前々から予想されていた事ではあったが、当初の予想を超えている状況。
それに私達のほうが不利というのが現状で、いつも落ち着いている元親様も今は穏やかというわけではない。





兵士や家臣の前では、いつもと変わらぬ様子で振る舞っていた。
私の前でも、不安を抱いているような素振りは見せない。







それでも、私には分かるのだから。



















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