拍手文2

□お互いさま
1ページ/4ページ


またしても酒呑夢です。
自己満足すぎて申し訳ありません…!
今回も短いお話ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。



―――――――――――




















今回の戦は、今まで以上に大軍で攻めてきた妖魔が相手。

私達討伐軍も精鋭を集め、万全の態勢で挑む。












そんな中、私は本陣で負傷した兵や武将の手当てをしていた。



















「初めはどうなるかと思ったが、我らの勝ちとなりそうだな」


「あぁ、人間の力を思い知らせてやったぞ」





周りからは、そんな会話が飛び交っていた。





実際、敵の妖魔軍の数は少なくなっている。
そして私達討伐軍は多くの主将が残り、それぞれ砦の守備や、敵本陣で戦っている人もいる。
























しかし、勝利を確信して油断していた私達の元に、急報が告げられた。




敵は奇襲部隊を忍ばせていたらしい。その部隊は敵本陣を攻める討伐軍の背後を狙った。












それを聞き、私達はざわめいた。手当てを受けたばかりの兵や武将たちが慌ただしく本陣を後にし、救援に向かうのを、私は不安に思いながらも見送る事しかできなかった。






だが、また新たに報がもたらされた。

奇襲部隊が出た近くの砦にいた酒呑様が迎撃態勢を取り、狙われていた味方部隊に影響はない、と。










それを聞いて味方本陣にいた人達は胸を撫で下ろした。


酒呑童子なら大丈夫だ、とあちこちで声がする。





確かに酒呑様は人並み外れた(というよりも人ではないが)力を持っていて、たとえ一人でも数人を相手にできるだろう。


しかし私は、簡単に安心できるはずもない。


今まで潜んでいた奇襲部隊は傷もなく万全な状態だろう。それに比べ、酒呑様はすでにあちこちで敵と戦っていた。

それに酒呑様は、傷を負ってもあまり気にしない節がある。
気付かぬうちに無理をされては、いつ倒れるかわからない。




そんな酒呑様を知っている私としては、安心感などここには無い。

















(酒呑様…………)








今すぐに酒呑様のもとへ向かいたい。が、混戦中に私が行っても足手まといになるだけなのは分かっている。



それでもただ待つだけなどできなかった私は、本陣を飛び出した。






















.

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ