拍手文2

□たまらない、人
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今月は久々に比古師匠夢です。
最後のほうに少しだけ裏要素があるので、苦手な方はご注意ください。



―――――――――――

































「………いっ…たたたたた……」



天気の良い昼下がり、私は洗濯物を持って近くの川へ来ていた。

しかし不運な事に、洗濯物の入った重い籠を川辺に置いて、その重さで少し痛む肩と腕を伸ばそうと腕を上げて背を反らした瞬間、小石で足が滑り、私はバシャリと音を立てて川の中へしりもちをついたのだ。









「冷たい………っ」





天気は良いとはいえ、まだ肌寒さが残る季節。水温は低く、濡れた着物が肌にぴたりと貼り付くと余計に体温が奪われる。









「はぁ……………っ、いたっ」



運が悪いなぁ、と思いながらため息を吐いて立ち上がろうとしたが、その瞬間、右足に痛みが走った。

どうやら足を滑らせた時にひねったらしい。

極力右足を地面につけないようにして立ち上がったが、踏ん張る事ができない。



こんな状態では満足に洗濯もできないので、清十郎様に謝ってお願いしよう……と思いながら私は籠を持ってもと来た道を戻った。
































「…………っ、う……」







木々が生い茂る道を抜け、どうにか小屋の近くまで来た私は、籠を置いてその場に座り込んだ。



右足に気をつかいつつ重い籠を運んだせいか、肩と腕がまた痛み、右足も相変わらずズキズキと痛む。
さらに追い討ちをかけるように、濡れた着物のせいで足だけでなく全身が寒い。




清十郎様は陶芸をする小屋の中にいるのだろう、どうにかそこまでは行かなきゃいけない。

立ち上がろうとしたその時。















「―――――どうした」




ちょうど小屋から出てきた清十郎様が私に気付いて駆け寄ってきてくれた。






「ごめんなさい……足を、滑らせて…さらにひねってしまって……」



しゃがんで私と目線を合わせてくれる清十郎様に、私は苦笑いを浮かべつつそう説明する。







「…………馬鹿が……足痛めてるのにわざわざ洗濯物持って帰ってのきたのか」


「だって」





川辺に洗濯物を置きっぱなしにしておくのもどうかと思って、と呟く私に、清十郎様は相変わらず苦い表情を浮かべている。









「ったく………」



低い声で小さくそう呟いて、清十郎様は私の体を抱きあげた。

















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