無双過去夢

□表情一つ
1ページ/9ページ

















『表情一つ』













ゴンッッ


ベィンッッ!!








「――――痛ッ!痛ぁぁぁぁぁあッッ!!」



そうだ、元親様の部屋掃除して差し上げましょう!!などという、唐突な思いつきで元親様の部屋にやってきた。


機嫌良く、かつ勢い良く元親様の部屋に侵入するやいなや、いきなり何かを蹴り飛ばしてしまった(その時の音が冒頭の音である)。


「いっったぁぁぁぁあああ!!」



ちなみに、私は“何か”を左足の小指で蹴ってまったのである。


小指は反則だ小指は。なぜこういう時って小指に当たる確率が異常に高いのだろうか。

しかもなぜこういう時ってやたら力いっぱいぶつかったり蹴ったりしてしまうのだろう。

それとも何だ、私は小指運が悪いのか!?


そんな事を考えながらその場に座り込んで赤くなった左足の小指を見ていた。ちなみに今私はほぼ泣いている状態である。



そういや、蹴った音がした後、妙な音がしていた。
確か、『ベィンッッ!!』とかいう。


というか私はいったい何を蹴ったのか。



辺りを見回すと、ある物が目に入った。

瞬間、全身の血の気が引きました。












元親様、の、三、味、線…………………!!??









ちょ、








ちょっとまてぇええええええええ








声にならないとはまさにこのことだ。うん。





あぁしまった元親様の三味線を勢い良く蹴っちゃったよ。壊れてなければいい……………な……………………





うーん??まてまて。何だこれは。



うん。これは……弦、だね、俗に言う。








これは、つまりだね、うんうん、









切れてるぅぅぅぅうううう











.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ