無双過去夢
□欲張りにつき恋心
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――見過ごしてはおけない
独占欲の深い俺の心は――――――
『欲張りにつき恋心』
ここ最近政務で忙しいのが憎らしい。
葵が何か隠しているのは確かであるが、それを暴く暇がない。
いつ葵から聞き出そうかと思っていたある日。珍しく軍議が早く終わり、元親は部屋に戻ろうと踵を返した。
今は葵は買い出しに行っている頃。何故こんな時間に軍議が終わったのかとまた少し苛立ちを覚えたがどうしようもない。
元親は多少のやるせなさに頭を無造作に掻きながら、たまにはゆっくりするかと思っているうちに部屋に着いた。
襖に手をかけ、開けた瞬間だった。
目の前に、葵。
―――――何故葵が、
何故、ここにいる?
葵も部屋から出るところだったのか、襖に向けた腕は伸ばされたまま元親を見て驚いている。
「も、とちか……様…」
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