無双過去夢

□聖なる日は、君と。
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他の女子とは違い、三成にチョコを渡そうとしていないのは、三成の恋人である葵だった。
もちろん、二人が付き合っていることは周りには秘密だ。






何か考え事をしているような様子で、葵は三成と目をあわせようとしなかった。
いつもなら顔を見てにこにこと笑ってくれるのに。


三成は葵に話しかけようとしたが、どこへいっても大量の女子に阻まれ、葵に近づいていくこともできなかった。それどころか、葵が自分を避けているようにすら思えた。










―――そんな状態のまま、放課後がきてしまった。





放課後は、2・3年の女子もやってくるので三成にとっては休める暇などない。こういう時に限ってなぜ職員会議がないのかと三成はうんざりした。






とりあえずチョコを渡そうとしてきた女子をすべて強引に追い返し、三成は教諭室へと向かった。









今日は葵と一度も話していない―――チョコも、大量の女子から貰うより葵から貰えればそれだけでいい。








教諭室の机に向かい、ぼんやりとそんな事を考えていた時、教諭室の扉が開く音がした。












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