無双過去夢
□COMPLEX
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「葵!」
「おねね様」
夜、城の廊下を歩いていた葵を、後ろにいたねねが呼び止めた。
「どうかしたんですか?」
沢山の書簡を持った葵は立ち止まり、ねねの方を振り返った。
「もう三成には言った?」
「何をですか?」
いきなり妙な質問をされ、葵は頭の上に"?"マークを浮かべている。
「とぼけても無駄よぉ〜!三成に好きって言ったのかって聞いてるの!!」
ねねは葵の肩をバシバシと叩き、楽しそうにそう言った。
「なっ……!///そのことは放っておいて下さいと言ったでしょう!?第一、声が大きいですよ!」
ねねの言葉に葵は一気に顔を紅くさせ、プイと横を向いた。
「その様子じゃまだ言ってないね?早く言っちゃいなさいよ!」
恥ずかしそうにする葵の顔を覗き込むように見てねねが言う。
「もういいんです!私は絶対に言いませんから!!」
「なんでよ〜。好きなんでしょう?三成のこと」
力強く言い放った葵に、ねねが残念そうな口調で尋ねた。
「好き……ですけど……私なんて女として見られてませんから。」
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