無双過去夢
□碧眼メシア 壱
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死んだ事を確認し、薙ぎ払うようにその亡骸を横に投げた。どうせ家康のもと、半蔵直属の忍であろうと考えていた瞬間、暗い庭の植え込みの中で微かに物音がした。
まだ一人、忍が残っていたようだ。
「無駄なあがきを…………」
すぐさま、森へ逃げたその忍を追ったが暗い闇と生い茂った木々に行く手を阻まれ、中々追いつくことができなかった。とはいえ、ここで逃すわけにはいかず、相手方が疲弊するのを待ちながら執拗に追った。
―――――ザシュッ………
鎧を斬る音、低い唸り声、紅い鮮血が舞ったのは城下町の中だった。
周辺には露店があったが、夜であったためか辺りに人の気配はない。
足元の死体を近くの林の中に投げ捨て、城に戻ろうとした時だった。
「ケホッ……ゴホッ………」
どこからか、誰かが咳込む声が聞こえた。
新手の忍か、先ほどの一味の残党かと声がする方を振り返り、辺りを見回すと瓦礫の山となった建物の壁に女が一人、座ってもたれかかっていた。
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