無双過去夢
□Sadness Night...but
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「………小太郎様の……バカぁああーーーーーーーーー!!!!!!!!」
私は一人なのを良いことに部屋で大声で叫んだ。
「バカバカ……早く帰ってきてくれなきゃ不安なんですからね…………」
ただでさえ、小太郎様は戦の中にわざわざ飛び込むような人だから。
「バカ……バカ………っく…ふぇ…」
堪えていた涙が溢れ出てくる。
眠ることもできず、なるべく声を抑えて泣いた。
「……っ…バカ…………」
「…………ずいぶんと…バカ呼ばわりしてくれたものだな……」
「……っ!?」
ふと、背後から聞き慣れた声。
振り返ると帰りを待ち詫びた愛しい人がいた。
涙で滲んだ瞳でも、はっきりと分かる。
「………っこたろ、さま……!!」
勢い良く、小太郎様の体に抱きつくと小太郎様は小さく微笑み、優しく抱きしめてくれた。
「……バカ…どれだけ……心配したと…………っ」
「あぁ……わかっている。」
ぎゅっ、と強く抱きついて涙を流すと小太郎は覆い被さるように私を包みこんでくれた。
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