無双過去夢

□必要なんだ。
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真っ直ぐな瞳で









君は僕を見るから









手放せなくなるじゃないか











こんなにも、君が












『必要なんだ。』






















―――満月の夜。

とても月光の明るい夜だった。


秀吉幕下の将、長宗我部元親は庭をのぞむ廊下の縁側に座り、一人三味線を弾いていた。

庭といっても、大したものではない。ただの草むらに所々木があるようなもの。

城の一番端にあたるこの場所は人も少なく、元親はここで月を見ながら三味線を弾くことがしばしばあった。








今夜も、いつもと変わりなく静かに三味線の音色を奏でていた。






いつもと変わりない、はずだった。








―――――ガサッ……







「………!?」



元親の三味線の音と、微かな虫の鳴き声しか聞こえないはず……しかし草むらから聞こえた葉の揺れる音は、あきらかに人間が鳴らしたであろう、大きい音だった。





「誰かいるのか?」


元親は三味線を置き、警戒しながら草むらへ歩いていく。







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