無双過去夢
□胸騒ぎ
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――眠れない。
―――会いたい。
――――――会いたい。
何故だろうか
鼓動が速くなる――……
私は立ち上がり、何の音もない部屋を飛び出していた。
向かう場所は、あの人の所―――。
衝動的に三成様の部屋の前へと来たが、よく考えれば皆が寝静まっている時間。
三成様が起きているはずもなく、私は部屋の前で立ち尽くした。
だが、このまま帰っても胸騒ぎは消えない。
――――三成様を失ってしまうかもしれないという、あまりに不吉な胸騒ぎは。
「………三成様……」
部屋の前で、小さく呟く。
三成様は出てこないけれど。
会いたい……
私は静かに襖を開け、月明かりに照らされている部屋に入った。
三成様は、眠っている。
久々に見るその寝顔に、安心感を覚えた。
「三成様………」
愛しい……
愛しい………
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