Undaily!

□第2話
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「とにかく、ここは皆さんがいた時代の遥かに未来なんです」


「未来に来てしまった………というわけか」



兼続が顎に手を添えて呟いた。





「どうやったら戻れる?」


「私に聞かれても………私だって、いつも通り帰ってきたら皆さんがここにいて、何が何だか分からないんですから。皆さんこそ、何があってここに来たんですか?」


至って真面目な顔をした清正に元の世界に戻る術を聞かれたが、知らないものは知らない。ついでに聞き返してやった。






「俺達は皆、大阪城にいた」



思い出すように、元親が答えた。




「俺は秀吉に会った後………四国に戻るため城を出ようとした時、空の一部が妙な色になっているのに気付いて、それを見ていたら急に体が吸い込まれるような感覚になり………気付けばここにいた」


「わしもじゃ。用があって大阪城に行き、中庭にいる時に妙な色をした空を見た。隣にいた小十郎は妙な色などしないと言っていたが―――……その後は同じだ。小十郎の意識が空に向いている間に、わしだけが吸い込まれた」




元親に続いて、政宗も語り出す。どうやら残る三成・幸村・兼続・清正も同じらしい。

4人でいた時、変な色の空に吸い込まれた――――

おそらく、空の色が変に見えた人物だけ、この世界に飛ばされたらしい。


にわかには信じがたいが、それがトリップの原因のようだ。








「それじゃあ尚更、私にはどうしようもないですよ…………」



ため息をついて、うなだれた。
私には気象や空を操る、人外の力など無いのだから。







「どうしようもないのか………」


「…………俺はまだ、ここが未来だという事も信じていない。信じるには早すぎる……」




清正の呟きの後、三成が低い声で唸った。
仕方ないなぁ、と心の中で呟き、私は立ち上がって窓際に移動する。





「多分、嫌でも信じたくなりますよ。外の景色を見ると」




テレビをつけてもよかったのだが、最初からそれはさすがに刺激が強いような気がしたので、まずは景色から。






「外が見れるのか」


「はい。これを開ければ」





まず兼続が立ち上がって、窓際に寄って来た。続いて、残り5人も腰を上げる。

全員窓際に来たところで、私はカーテンを開け、窓を全開にした。










「―――――――――!!」




ひゅう、と涼しい風が入ってきた。


予想通り、6人は全員、目を見開いて言葉を失った。

まだ日が長い季節で良かった。夕焼けに染まった街は、車の往来もきちんと見る事ができる。








「な、んだ…………これは………」



清正が見上げているのは、少し離れた位置にあるビル。

このご時世では、特別高いというほどの階数ではないが、彼らにとっては別だ。空高く垂直に真四角の物体が聳え立っているのだから。









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