Undaily!
□第3話
2ページ/3ページ
「……………それは、そうだが……」
「…………………本気か?」
兼続の後に清正が呟く。
二人共、いや特に清正は何か不審な物でも見るような目線で私を見ている。
「本気も何も、それしか手段は無いと思いますよ?」
「………貴様に何の利益も無いだろう。むしろこの人数をここに住まわせれば、貴様には損にしかならない」
三成もまた、私の発言を怪しんでいるらしい。
「た、確かにそうでしょうけど…………でも、他の人に『戦国時代からやってきてこの世界の勝手が分からないからとりあえず生活の面倒を見てくれ』と言っても誰一人信じないと思いますし、まず………後で詳しく説明しますけど、皆さんはそのまま外を歩くだけで、捕まります。そして牢屋行きです」
完全に銃刀法違反ですから、と言ってもまだ分からないないだろうからそこは省略。
「だから、さっき言ったようにせめてこの世界の事を理解するまではここに住んで下されば良いですから。皆さん、まだ死ぬわけにはいかないでしょう?」
私の言葉に全員が、ぐっと体に力を入れた。
私はまだ言葉を続ける。
「それに、原因は何であれ、皆さんはいきなりこの場所にやって来たんです。もしかするとこの場所が皆さんの世界と何らかの繋がりを持ってるという可能性だってあります。そう考えれば、ここから離れない方が良いと思うんです」
自分でも驚くほど、何故かすらすらと言葉が出てきた。
言いたい事を言い切った私は、少し足りなくなった酸素を補いながら、目の前の武将達の返事を待つ。
「――――――――そうだな」
真っ先に聞こえたのは、元親の声。
「葵の言う通りか。我らだけでは生きていけそうにもないしな」
「葵殿、ご迷惑をおかけします」
顔を上げると、元親だけでなく、兼続・幸村も私の言葉を受け入れてくれたらしく、穏やかな笑顔を浮かべていた。
「………本当に、いいんだな?」
清正が念を押してきた。
「はい」
「………………変わった女じゃ」
政宗がぼそりと呟く。えへ、といった感じで笑いかけると思いっきり目を反らされた。何なんだ。
「ふん、後で後悔しても知らんぞ」
そして三成が最後に、そう言った。
「後悔なんてしませんよ。ここで出会ったのも何かの縁、って事で!運命ですよ、運命!」
皆が私の意見を聞き入れてくれたおかげで私もやっと本調子に戻り、力強く『運命』発言をして笑みを浮かべた。
しかし、
「「「………………………」」」
力いっぱい意気込んだ私とは対照的に、6人は私を見てポカーンとしている。
.