Undaily!
□第5話
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「あ、そうだその前に、その危険極まりない武器と、鎧は片付けておきましょうか」
武器や鎧がリビングに置きっぱなしでかなりのスペースを占領していた事に気付き、懸命に値札を取っている彼らに言う。
値札と格闘する姿は、ものすごく微笑ましい。
しかし一旦その手を止めてもらって、武器を片付ける。
「この部屋の押し入れに入れておいてください」
普段使っていない和室に案内して、押し入れの襖を開ける。買ったばかりのタオルケットと毛布もこの部屋に移動させた。
「ほう。畳の部屋があるんじゃな」
おそらく全員が同じ事を思ったのだろうが、真っ先に口にしたのは政宗で、残り5人も感心している。
「はい。時代は変わっても、日本ですから」
慣れ親しんだ畳の香りに、皆少し心安らいだように見えた。
今まであまり使っていなかった和室だが、この時ばかりは和室がある事に心から感謝した。しかも8畳。文句なしだ。
そして、押し入れの上の段に詰め込んでいた布団を出してそこに武器をしまう。改めて見ると―――――危なっかしすぎる武器ばかりだ。
彼らがトリップしてこの場所にやって来た時、武器達によってリビングの机やソファーなどが切り刻まれなかったのは奇跡だと思う。
とりあえず、剣や槍の刃の部分には新聞を巻き付けておいた。ここに越してきた当初、新聞を取るかどうかで迷ったが、こんな形で活躍するとは思っていなかった。新聞を取っておいてよかった。
ちなみに元親の武器である三味線は特別に使用を許可した。ただし、あくまでも楽器として。三成の武器も扇ではあるが、あれは危険なので押し入れ行きだ。
下の段には鎧を入れて、片付けは完了。
そして6人は値札取りに戻ってもらい、私はご飯の支度を再開した。
「―――――葵、出来たぞ」
ぐつぐつと煮物を煮ていると、元親の声がした。値札を全て取り終わったらしい。
「じゃあ、着方を説明しますねーまず、これが現代の下着です」
トランクスを一枚取って、この穴に足を入れるんだと説明する。
「下着を履いたら、次はこの袴みたいなのを履いて下さい。ズボンって言うんですけど、足の入れ方は下着と同じです」
私の説明を熱心に聞く6人の様子はまるで学校の生徒みたいで微笑ましい。
「うーん、じゃあとりあえず下着とズボンを履いてみましょうか。好きなやつを選んでください。大きさが合わなかったら他の人と交換しながら、自分に合ったのを履いてくださいね」
そう言って一旦説明を終えると、全員頷いた。
「では、早速着替えるか」
「はい、お願いしま……」
元親の声がしたと思ってふと元親を見ると、何を思ったかその場でおもむろに、今履いているズボン(?)に手をかけて脱ごうとしているではないか。
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