Undaily!

□第7話
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そうこうしているうちに皆ご飯を食べ終えた。見渡すと、多めに作ったはずの煮物はすっかり無くなり、皆他のおかずも残さず食べてくれているではないか。








「美味かったぞ、葵」





嬉しい、と思っていると、そこへ兼続のさらに嬉しい一言。







「ありがとうござ……ううん、ありがと!」






まだ少し敬語の癖がついていたため、慌てて普通に戻す。








「葵、そこを見てみたいのだが」





カチャカチャと食器を片付けてシンクに置き、さぁ洗おうか、と思っていると背後から元親が来た。






「うん、いいよ。ちょっと驚くと思うけど」






そう言ってまずスポンジに洗剤をつけて泡立てると、それだけで「おぉ」、と喚声が上がった。
元親だけでなく、いつの間にかキッチンに全員大集合している。








「これは食器を洗う洗剤で、汚れを落とすもの。そして、ここから水が出るんだけど……この蛇口を回せば、ほら」





この家の水道の蛇口は公園の手洗い場のような本当の蛇口の形をしているわけではないのだが(取っ手を横に動かす感じのアレ)、ジャーと音を立てて流れ出た水を見て、また喚声が上がる。





「ほう、凄いな」


「どういう仕組みなのか分かりませんね」


「地下に水道が通ってて、ちゃんと綺麗にされた水をこうやって生活水として使えるんですよー。ただ、無料で使えるわけじゃないから、使えば使う分だけ水道代としてお金を取られるんです」





元親の驚きと幸村の言葉に返事をする。また語尾が敬語になったと思ったが、説明の際は敬語の方が話しやすい……と思う。






「だから水は出しっぱなしにはしないように。あと、この水はこのままでも飲めるよ」






敬語じゃないように、と意識。

とりあえず水に関しては納得してくれた。






「こっちは何だ?」



三成が、気になっていたコンロや鍋を指差した。





「それは火が出る所だから危ないですよ。ガスの力で一定の火力を保てるようになってて、ここでお湯を沸かしたり肉を焼いたりできます」





しまった。ガスは通じないだろう。でもガスなんだから仕方ない。
そう思いながら、コンロの火をつけるとまた喚声。
しかし、IHじゃなくガスのコンロでよかった。IHも説明の難易度が高い。ガスなら直接火が見えるから、皆も分かりやすいだろう。







「皆も使い方覚えてね、分かれば簡単だから」






続いて、電子レンジと炊飯器の説明をした。あ、あと冷蔵庫も。
とりあえず全部コンセントから伝わる電流を使って動いていると説明して、使い方を教えた。
電気は要するに雷だ、と適当に言ったら何だか納得してくれた。
飲み込みが早いので助かる。

………電子レンジで物が温まる仕組みを説明するのはやはり難易度が高かったので、後は辞書任せだ。










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