Undaily!
□第7話
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とりあえずこれでキッチン周辺の説明は終わった。そう広くはないキッチンに体格の良い男が6人も集まったので身動きが取りにくくて大変だった。
彼らだったら2人が限界だろう。私と政宗だったらちょっと余裕があるかもしれないが、清正とか元親とかだったら完全に2人で限界だろうな。
説明が終わって、お風呂が沸くまでの間は、とりあえずのんびりしてもらう事にした。
ついでに、何か分からない物があれば質問してくれればいいと言ったので、全員が部屋の中をうろうろと見て回っている。
全ての物に興味津々な彼らは、見ていて楽しい。
さっきはシャーペンやボールペンにも感心していた。
現代版の廁、トイレにも驚いてた。水道の仕組みは分かってくれているから思ったより簡単に納得してくれたが。
「電気とやらは不思議だな。夜だというのに、昼間のように明るい」
兼続がリビングの照明を眩しそうに見上げながら言った。
「あぁ、便利でしょー?だから夜でも周りを見渡せるよ」
人工的な光には慣れていないだろうけど、便利である事には違いない。
私は今までの生活では考えられなかった、7人分の食器を急いで洗いあげ、緑茶を用意してリビングに集まった。緑茶は皆大丈夫だった。またコーヒーとかジュースとか飲ませてみよう。
食べ物の好き嫌いも知っておかないといけないし、問題は『食』についてなのだ。
………いきなり洋食はハードルが高いだろうから、しばらく様子を見てからにしよう。
その後、時計とカレンダーの見方を説明してると、リビングに音楽が鳴り響いた。
〜〜〜〜〜♪〜〜♪♪
「「「Σ!!!」」」
「あ、ケータイ」
私以外の6人が、お茶をすすっていた湯飲みから口を離して、一斉に勢い良く私のほうを見た。
マナーモードにしっぱなしだったので解除してポケットに入れていたのだ。
テレビとはまた違う音に、全員、体がビクッと反応したような気がした。政宗と幸村に関しては相当驚いたのか、お茶がちょっとこぼれている。……どうしよう、可愛いぞ。
「……………何だそれは」
メールを確認していると清正が怪しい目付きで覗き込んできた。他5人も興味津々。
そういやケータイの説明はしていなかった。これまた難易度が高い…………。
「あー…これは……これも電気の力…で動いてて、電波を受信してこの画面に文字を映し出したりするもの。テレビと似たようなもの……かな。さっきの音楽は、受信したのを知らせるための音楽で、あと、その電波によって離れた所にいる相手と会話する事ができる、現代の……通信手段?」
「何で疑問形なんだよ」
「…だって、説明難しいから………」
うぅ、清正のツッコミはいつだって鋭い………!
これ以上説明できないのだよ!
まず、ケータイは電気の力で動いている……で合ってるはず。電気で電池を充電するんだから。ややこしい。
「離れた所の相手と会話ができる………?」
私の説明に、政宗が食い付いてきた。政宗はあまり興味がないように見えて、案外現代の物に対する好奇心が強い気がする。珍しい物好きなのだろうか。
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