Undaily!

□第8話
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「じゃあ、誰から入る?私はまだ片付けとか布団の準備とかやらなきゃいけないし最後でいいから、皆に早く覚えてもらわないと」




一旦リビングに戻って、順番を決める。







「まず私が入ってどういう具合か確かめよう!」


「兼続、一番風呂を取るつもりか。俺が最初だ」


「何言ってんだ馬鹿、俺から入る」


「いや、ここは年長者の俺だろう」


「何を言うか馬鹿め!独眼竜が一番に決まっておるわ!」


「私も早く入ってみたいですねー」













…………………………ん?

何だこの状況は。私の目の前ではすでに一番風呂争奪戦が繰り広げられている。
ちなみに兼続・三成・清正・元親・政宗・幸村の順で発言して、その後はぎゃーぎゃーと言い争ってもはや紛糾状態。



(皆、そんなにお風呂に入りたいのか……初めての事だから、早く体験してみたいんだろうなぁ)




小さな子どもがおもちゃを取り合ってるみたい、と思って眺めると何だか微笑ましい。

















「―――――だいたい、三成、お前はいつもそうだ。人の話を聞かずに自分の意見ばかり貫こうとするから敵が絶えない」


「ふん、貴様にだけは言われたくない台詞だな。お前こそ間違った時でも素直に認めようとしない頑固者だろう」


「ふ、二人とも………話が違う方向に…………」













あ、あれ??


微笑ましく眺めている間に、私に見事なコンビネーションアタックをしてきたはずの子飼いコンビの間で、何だかものすごく深刻なケンカが勃発してるんですが?


今にもお互いの胸ぐらを掴んで殴り合いでもしそうな雰囲気の二人を、幸村が必死に宥めている。

兼続と政宗も一番風呂は誰なのかなかなか決まらないせいか、多少苛立っているように見えて、止めようとしない。











「言い争っている間に俺が入るか」


「「元親!!」」




元親が抜け駆けしようとすると、清正・三成が凄い勢いで元親を止めた。

あれ?こういう時はものすごく息が合ってるのに。
ケンカするほど仲が良いんだな。


というかちょっと待って、何故そんなに最初に入りたいんだろうか…謎すぎる。
意地になっているだけなのかな。








「三成殿、清正殿………!」






あ、やばい二人が本格的に殴り合いをしそうな雰囲気になっている。幸村がおろおろしている。子どもの殴り合いとは訳が違うのだ。止めないとこの部屋の物が……壊される。洒落にならない。







「清正、三成、分かったから、ケンカはだめだよ!ね?」




「「………………………ふん」」




二人を見上げて、おねね様的な感じでそう言うと、どうにか二人は思い留まってくれた。


しかしこのままでは一番風呂が決まらない。
どうしたものかと考えていると、現代には画期的な手段がある事を思い出す。















「じゃんけんで決めよう!じゃんけんで!」







じゃんけんは本当に画期的だと、私は思うのだ。












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