Undaily!
□第11話
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「ま、必然的に買い物にも付き合ってもらう事になるけど。いい?」
「それぐらい構わんわ!」
あぁ、すごい嬉しそう。
ま、外の世界を知る良い機会だしね。
「待て葵!政宗だけとはあまりに不公平だろう!!」
「そうだ、俺らも連れてけよ」
「え?」
「俺も連れて行け。買い物くらい、いくらでも付き合ってやるさ」
「私もあの乗り物に乗ってみたく存じます!」
「えぇ??」
……………車、大人気です。
男の子は車が好きだというが、それは戦国時代の人にも当てはまるのか?いや、そういう問題じゃない。
まさかの全員乗りたい発言だ。
「何を言うか貴様ら!わしが言ったんじゃ!行くのはわし一人で充分!ついて来なくてよい!」
「政宗!車とやらに乗りたいのはお前だけではないのだ!少しは周りの事も考えてはどうだ!」
「うるさい!兼続の分際で最もらしい事を言うでないわ!」
「おい、俺らの事も忘れんなよ」
…………………血の気が多いね、君達…………。
清正と三成といい、政宗と兼続といい、仲が良いのか悪いのか分からない。
というか政宗、兼続の分際でって……怒るトコ、そこじゃない気がする。
「あぁもう、分かったから!夜なんだしあんまりうるさくしないで。これ以上ケンカするなら政宗も兼続も連れていかないよ」
「ッ……………ふん!」
「相変わらず政宗は態度が悪いな!」
「まぁまぁ、兼続殿」
兼続って、普段冷静でも何かあればすぐ怒り出すタイプなのかな。毎回仲裁に入ってくれる幸村、貴重な存在だよ。
清正は機嫌悪いと仲裁に入ろうとしないし、元親は基本傍観(もはや放置プレイ)だし………。
「全員は無理だけど、車には私以外にあと3人乗れるからさ、後でちゃんと決めようよ。三成だって乗りたいかもしれないし」
私の愛車は軽自動車のため、4人乗り。しかしこんな体格の良い男が乗るとなると……助手席はともかく、後部座席、確実に狭いな。
とりあえず、三成がいない状態で決めるのは一番不公平なので全員揃ってからにしよう。
一旦皆落ち着いて(政宗と兼続は険悪ムードだが)、私はメモに戻る。すると、脱衣所の扉が開く音がした。
「上がったぞ」
「あ、三成」
三成が浴衣姿でお風呂から上がってきた。結構長い間湯船に浸かっていたのか、肌が赤い。逆上せてはいないので問題は無いが。
……………浴衣姿+風呂上がり特有の色っぽい感じが不必要なほど格好良くて直視出来ないとかは誰にも言えないに決まっている。
何だこの人。格好良さが犯罪級な気がする。
そして、元親の風呂上がり時が怖い。恐らく色気がすごいだろうから今から覚悟しておこう。よし。
浴衣、そういえば着方とか何も言ってないがどうにか大丈夫なようだ。
「三成、私明日、」
「俺も行く」
「え?」
机に向かって座り、無造作に髪を拭く三成に何気なく明日の事と、車に乗りたいかどうかを聞こうと声をかけると、瞬間的にそう言ってきた。
あぁ、脱衣所まで聞こえてたんだろうな…………。
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