Undaily!

□第12話
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―――――ブォォォォ……







「Σ!?」




ドライヤーから音がして、温風が出てきた瞬間、三成の体がビクリと反応した。驚いたのだろう。


他の皆も最初は少し驚いた様子で私と三成のほうを見つめていた。






「…………これも“電気”とやらで動いているのか」


「そうそう。これで乾かしたほうが髪に良いんだよ。ちなみに冷風も出せるからね」





ドライヤーの中はどんな仕組みなんだ、と聞かれたがこれも返答に困った。電気で熱を出して、中にある羽みたいなのが回って風を作ってるんだよ、とまたもや適当な返事をしてしまった。
イメージで理解してほしい、イメージで。







「三成の髪って綺麗だよねーさらさらで触り心地も最高」


乾いてきた三成の髪は本当にさらさらしていてふわふわしていて………何というか本当に綺麗なのだ。





「………男はそんな事を言われても嬉しくない」


「だってほんとに綺麗だからさー。ま、私の個人的意見だよ」





ドライヤーの側にある小さな鏡台の鏡に、少し怪訝そうな三成が写った。そんな三成に返事をして鼻歌まじりで乾かしていると、いつの間にかほとんど乾いたので、最後に櫛で梳かして終わりにする。







「はい、これで完了!わ、さらさら!ふわふわ!……って、三成?もしかして……………眠くなった?」


「………!そうではない」





一人で興奮している私とは対照的に、三成は何も言わず、動く気配も無かったので少し覗き込んでみると何だか眠そうにしていた。
まぁ仕方ない。眠くなってしまうのもよく分かる。

しかし三成は私の言葉にビクッと反応すると、バツが悪そうに立ち上がってリビングの机に戻って行った。








「あ、そうだ三成にもジュース飲んでもらわないと」






何だか微笑ましいぞ、なんて思っているとジュースの事を思い出し、残しておいたオレンジジュースとアップルジュースを三成にも飲んでもらった。

その前にペットボトルの素材について聞かれたが説明できる気がしないのでこれも辞書任せにしよう。












「…………………甘いな」




清正と同じ反応だったので、思わず少しだけ吹き出してしまった。





「んー、三成もあまり好まない派かー」




何となく予想はしていたが、三成も甘い物はあまり好きではないようだ。

明日にでもコーヒーを飲ませてやろうじゃないか。
















――――――――………







「葵、上がったぞ」




その後、ニュースをやめてバラエティー番組を見てみたりしていると兼続がお風呂から上がってきた。
兼続は特に問題なくお風呂をマスターしたらしい。




「良い湯だった」


「ほんと?良かったー」





兼続も何だか色気3割増になっている。浴衣の力は本当に偉大だと思う。

兼続も身長高いし体格良いから、お風呂狭かったと思うんだが………どうにかなったのかな。
いや、それを言うなら三成だって狭かっただろうな。





「次は俺だな」


浴槽の大きさと彼らの体格の事を考えていると不意に元親の声がした。



「ん、適当に浴衣持ってってねー」





あぁ、と言って元親が脱衣所に入るのを見て、今から浴衣姿を想像しておく。現代人ではあり得ないほどの色気を放つだろうから相当の覚悟が必要だ。









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