Undaily!

□第13話
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「………………………な、に」





机に突っ伏したまま、元親とは視線を合わせずに返事をする。







「葵」


「………………だから、なに」





返事をしたのにもう一度名前を呼ばれ、私は仕方なく体を起こしてゆっくりと振り返った。








「髪、乾かしてくれるんだろう?」




見上げた先にいる元親は、にやりとした笑みを浮かべて私にそう言ってきた。








「ッな、元親使い方分かってるでしょ!自分でやってよ!//」


「分からんな、一度見たくらいでは」






少しとぼけたような表情を浮かべ、私を見て催促する。



「嘘!分かってるくせに!」


「分からないと言っているだろう、葵」




視線を私に合わせると、私の髪を弄りながらそう囁く。卑怯だ。卑怯すぎる。







「やだ!どうせまたからかうつもりなんでしょ!?分からないなら三成とかに頼んでよ!」


「なッ、何故俺が!」




元親の魔の手から逃げるように体を捩り、我関せずといった様子の三成の名を出すと当の三成はすぐに否定してきた。





「三成使い方分かってるでしょー!三成やってよー!!」


「何が楽しくて男の髪を乾かさなければならんのだ」





いや、もっともな答えなんだけどさ!!
突き放された気分!!




「じゃあ兼続!」


「わ、私は……葵が乾かしてくれたからな!使い方など分からないのだ!」




いきなり呼ばれてしどろもどろしているが、兼続も案外あっさりと逃げやがった。





「ほら葵、俺だけ乾かしてくれないのは不公平だろう?」


「いーやーだー!清正、清正は物分かりが良いもんね!お願い!」

「断る」





即答ですか!

辞書から視線を外さずに即答したよこの人は!





「清正のバカ!バカきよ!!良い人だと思ってたのに!KY正めー!!」






清正のあだ名は『KY正』で決定だコノヤロウ。


私のKY正発言に、清正は不思議そうな顔をしている。






「幸村ー!幸村は優しいもんね、お願いだよ、私を元親から助けてー!!」


「何だ、人を悪者みたいに」


「ぎゃぁぁぁ!//近づかないでー!」





ヤバい。テンパってきた。





「え、いや、私は………そうだ、元親殿の次は私なので、入浴させていただきますね!」


「ゆ、幸村ー!!」





少し慌てた幸村は良い脱出方法を見つけた、とばかりにお風呂へ行ってしまった。

くそッ、良い人No.1の幸村にまで上手く逃げられてしまったよ!








「まさ、政宗………!助けて………!」





最後に、政宗に助けを求めた。

あれ?なんか元親に肩掴まれてるんですが、気のせいかな?







「………………………(プイッ」


「無視されたぁぁぁぁー!!」






政宗は辞書から視線を離し、私と目が合った瞬間にそっぽ向いてしまった。








「さぁ葵、乾かしてもらおうか」





…………背後からものすごく上機嫌な元親の声がします。


魔物に捕まったような気分です、ハイ。











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