Undaily!

□第15話
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「…………お前達は、どう思っている?」


「どう、とは?」


「あいつの事についてだ」





聞き返してきた兼続に、三成が答える。







「見知らぬ男6人を自分の家に住まわせるなど………」


「疑っているのか?」




三成の言葉に、元親が尋ねた。






「まぁ、俺も始めは疑ったが、どうしようもないだろう。あいつの言う通り、俺達はこの世界で生きていく術がない。あいつに、頼る以外にな」



腕を組んで、元親は静かに言った。







「葵、は……何かを企んでいるような、そんな人には見えません」



葵殿、と言いそうになったのを堪えて幸村が真剣に言った。





「あぁ、葵は優しく、明るい娘だ。義と愛に満ち溢れている」


「………ふん、貴様はそれしか言えんのか」


「な、なんだと政宗!」





目を輝かせている兼続に、黙ってやりとりを聞いていた政宗が気怠そうに呟き、兼続が食らい付いた。






「やめとけよ、兼続、政宗。大声出して、何かあった時に大変なのは全部あいつだ」




また喧嘩を始めてしまいそうな2人を、清正が冷静に止めた。
その言葉に、兼続も政宗も昂ぶった感情をぐっと抑えた。









「――――過去からやって来た俺達を、見せ物にだってできたはずだ。何か企んでいるようなら逆に利用してやろうかと思ったが………」




微笑を浮かべて話す元親を見て、他5人は「そんな風に思っていたのか」、と心の中で呟いた。

飄々とした態度をとっていた元親が一番、葵を観察していたのだ。






「葵の言葉に嘘は無かった。それどころか、飯まで食わせ、自分の金で俺達に服を買い与えた。ここまでくればただの馬鹿か、よほどのお人好しかのどちらかだな」




どこか楽しそうに、元親は言った。





「それに三成、お前に言っていただろう。葵はすでに、今の状況が楽しいと。あの言葉にお前は偽りを感じたか?」


「!……………聞いていたのか」





不意にそう言われた三成は、少し目を見開いた後、軽く眉をひそめた。






「会話が聞こえたからな。気になって全員で聞いていた」


「…盗み聞きか、悪趣味だな」




風呂場での三成と葵の会話を、5人は聞いていた。
あの時の葵の穏やかな口調や様子は、元親の中にまだかすかに残っていた疑いの気持ちを払拭させた。
自分自身の言葉で、少し気恥ずかしそうに思いを告げた葵の事が、気に入った瞬間でもあり、それは三成や清正達も同じだった。


三成にとっては、ケガや火傷は無いかとまるで自分の事のように気に掛けてくれるのが慣れていなくてむず痒かったが、葵の持つ雰囲気は嫌いではなかった。

だから、葵を信じ、疑った事も素直に謝れた。











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