Undaily!

□第16話
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「…………三成………」




言い終わった後、三成は私から視線を反らした。

言い方こそ冷たいが、何だかんだで結局は「お前のせいじゃないんだから気にするな」と言ってくれているんだと………思う。

私の都合の良いように受け取っているだけなのかもしれないが、なんだか気が楽になった。










「……えへへーありがとう、三成」


「…何だ急に……気持ちの悪い」




不器用だけど、やっぱり三成は三成なりに優しい部分もあるじゃないか、と思うと顔がニヤけてしまった。そして気持ち悪いと言われてしまった。でも不思議と嫌じゃない。










「ちゃんと寝れたのだから問題ない。すぐに慣れる、心配するな」


「はーい!」




元親も優しくそう言ってくれた。

何だこれ。すごくテンション上がってきたぞ。












「よしッ!じゃあ朝ご飯作るから、皆は着替えててねー」





寝起きなのにすごく爽快な気分になった私は、勢い良く立ち上がって浴衣のままの皆にそう言った。


すると。












「朝ご飯……?」






誰かが小さな声で聞き返した。たぶん政宗あたり。

目を輝かせてキッチンに向かおうとする私とは立ち止まって6人を見た。






「朝ご飯だよ朝ご飯。簡単な物で済ませるけど…………って、あぁ、そっか」




言葉の途中で、気付いた。
戦国時代は1日2食だったと聞いた事がある。

朝と昼の中間ぐらいに1回、そして夜に1回、だったかな……?
……





「現代では、朝・昼・夜の1日3食が基本なんだよ。だから今の時間帯は、朝ご飯」


「…………この時代の人間は1日に3度も飯を食うのか」


「え………うん」







皆が不思議そうにしていたから簡単に説明すると、三成が怪訝そうにそう言った。


現代人からすれば1日2食というのはキツいと思う(個人差はあるが)。
彼らの時代は寝る時間帯も現代より早かっただろうから、不思議に思うのも仕方ないけど…………。












「い、言っとくけど、大食いってわけじゃないからね!?」





全員が、そう言いたげな顔をしていたから先に言ってやった。






「1日3食摂るのが健康に良いって、ちゃんと研究されてるんだから!」




妙な誤解を解くために一応説明をしたが、皆はまだ納得していない感じだ。










「とにかく、郷に入っては郷に従えって事で。これからは1日3食だからね!」






休日は昼過ぎまで寝て朝食を摂らない私が言うのもどうかと思ったが……仕方ない。







「はい!皆は着替えて着替えて!」





とりあえず強引にこの話題を終わらせて、着替えを急かした。

まぁ、浴衣のままでもいいんだけど……やっぱり現代の服に早く慣れてもらわないといけない。










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