Undaily!
□第18話
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「勝っ、たぁぁぁああ!!」
最終的に、残る一枠は政宗が勝ち取った。
まず幸村と政宗が勝ち抜け、その後一騎打ちで政宗が見事に勝利したのだった。
一番乗りたがっていた政宗が勝ってよかった。もし負けてたらスネそうだ。
「む、無念…………!」
幸村は今まで見たことの無いほどうなだれている。
「まぁ、明日も買い物行くから、明日乗せてあげるよ。我慢するのは今日だけだって」
「しかし早く乗ってみたかった……」
兼続もかなりヘコんでいる。
三成に至ってはイライラしているからしばらくそっとしておこう。昨日一番風呂だったんだからここは妥協してほしい。
「じゃあ今日は元親・清正・政宗だね。買い物行く頃にまた声かけるから」
この3人はすごく機嫌が良い。
車に乗るというだけでこんなにテンションが上がるなんて、現代人では考えにくい。
………という事は、明日は義トリオとお買い物ということか………。
それはそれで楽しみである。
――――――……
「……あ、そろそろご飯作ろっか、政宗」
時々あくびをしながら、ぼーっとテレビ見ていると時計が視界に入った。
もう昼前になっているため、政宗に声をかけ、私も眠さのせいか少し重く感じる身体を起こした。
「おぉ!早く飯を作るぞ!」
声をかけると、政宗は目を輝かせた。……やっぱり尻尾を振る犬のように見える。
昼食はオムライスを作る予定だが、卵がそれほど多くない。仕方ないから私のはペラペラの卵で我慢しようじゃないか。
「ん〜、まずは………」
冷凍庫から、手軽で便利・ミックスベジタブルを取り出し、フライパンの準備をする。
「昨日簡単に説明したけど、ここを押せば火がつくからね。で、この鉄板みたいなので焼くんだよ」
フライパンの説明を済ませ、ミックスベジタブルとご飯をぶち込んで炒めてもらう。
「これほど簡単に火をおこせるとは、便利なカラクリじゃな」
「うん、私達にだって難しい仕組みだからね……あまり深く考えないでね」
説明しろと言われても無理だから、最初から諦めておこう。
「……………………何じゃそれは」
「へ?」
ケチャップライスにするため、冷蔵庫からケチャップを出して準備すると、政宗が物凄く引きつった表情をしながら低い声で言った。
「あぁ、これはケチャップっていって、トマトを煮つめて味を整えた感じ?の調味料」
この説明で合ってるとは思うのだが、やはり途中で疑問形になってしまった。
というかそれ以前に、トマトって戦国時代に………無い、よね。
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