Undaily!
□第18話
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「トマトっていうのは、外国…南蛮から入ってきた野菜で、こういう赤い果実なんだよ。また実物買ってくるね」
「………………食べても害は無いのか」
「無いよ!野菜だって言ってるでしょ!ほら、焦げるから手止めない!」
散々研究された現代の食品について物凄く失礼な事を言ってる気がするが………血みたいに見えたんだと思う。無理もないが。
「…………………」
「そんなに疑わなくても大丈夫だって」
ご飯にケチャップをかけていると政宗は眉をしかめてそれを見ている。
政宗でこの様子じゃ、他5人の反応が心配だ。
特に三成とか清正は食べようとしないんじゃないかと思う。
「うわ、政宗上手い!」
卵やお皿の準備をしている途中、ケチャップライスを炒める政宗の手付きが華麗すぎて驚いた。
まさに一流レストランのシェフのような炒め方。フライパンを軽々持って、手首のスナップを効かせて炒める、アレだ。
少しコツを教えただけなのに、いきなり身に付けている。
「言われた通りにしているだけじゃ。上手いのか?」
「上手いよ!初めてとは思えない!」
「そ、そうか」
私の言葉に、政宗は少しだけ嬉しそうな、照れたような表情を見せた。
「よし、後はこのご飯を卵で包めば出来上がりだよ」
別のフライパンで卵を半熟に焼いて、ケチャップライス包む。
フライパンから直接お皿に移そうとしていると、政宗がやりたいと言ったので挑戦してもらったが、一つ目は卵が崩れてしまった。
「あ、ちょっとボロボロになっちゃたねー。でも整えれば大丈夫」
「……難しいな」
どういう食べ物なのかというイメージさえ湧かないのにキレイに盛り付けろというほうが無理なのかな、なんて思っていると、二つ目はすごくキレイに出来上がったではないか。目を見開いてしまった。
……この人、三ツ星レストランのシェフになれる気がする。
そんな事を考えて一人で納得した。
7人分のケチャップライスを一度で作るのは大変だったので、2回に分けて作り、やっとオムライスが完成した。……やっぱり最後は卵が足りなかった。
「はい、お昼ご飯できたよー」
政宗と一緒に、オムライスを皆のもとへ運ぶ。
「「「………………………」」」
コト、と音を立ててそれぞれ目の前にオムライスを置くと、全員の表情が曇った。
いや、元親だけはあまり表情が変わっていない気がする。ただ凝視している。
皆さっきまでは、どんな食べ物が出てくるのだろうと少し楽しみにしていたような雰囲気だったが、目の色が変わった。どんな反応を見せてくれるのか、楽しみだけどだいたい想像できる。
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