Undaily!

□第20話
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「おぉ!?何か変な音がするぞ!」


「車を動かす時にはこんな音がするんだよ。政宗、落ち着いて」


「確かに妙な音だ。どこか壊れたのか?」


「いや、だからこれが通常なんだって!」




エンジンをかけて、エンジン音が聞こえると皆が反応した。
車が動く仕組みさえよく分からないんだから仕方ないか。

清正なんてさっそく故障を疑った。










「中で機械が動いて、その力で車は進むんだよ。だからこんな音がしても大丈夫」







そう説明しながら、とりあえず車は動き出した。












「おぉぉ!動いたぞ!」


「分かった、分かったから動かないで政宗!」






予想はしていたが、発進と同時に政宗が興奮し、車が揺れた。

……ものすごく安全運転じゃないと本当に事故してしまいそうだ。洒落にならない。









「その円形の物で操作しているのか?」


「そう、だから絶対これに触らないでよ!変な方向に曲がって車同士がぶつかったりでもしたら、皆怪我じゃ済まないんだからね!」






政宗がハンドルを見て楽しそうに言ってきた。
その好奇心が今は怖いんだよ、どうしようもなく怖いんだよ!


……おそらく今私は血眼になっていると思う。





















「馬よりも速いんじゃな!」


いつもより遅いスピードで車を走らせているが、政宗はとても楽しそうだ。







「馬みたいに疲れたりしないしね。まぁ、燃料は補充しないといけないけど」





視線は前に向いたまま、車について簡単に説明した。

政宗がずっとソワソワしてるのが気になるんだが………。
















「おぉぉ!?窓が開いたぞ!?」


「ちょ、乗り出すのはやめて政宗ぇぇ!」





窓にへばりつくようにして外の景色を見ていたので、試しに助手席の窓を開けてみた。


急に風が入ってきて驚いたのか面白がっているのか分からないが、政宗は窓から身を乗り出そうとした。







「政宗!ちゃんと座って!お願いだからちゃんと座ってーー!!」






やばい。車が左右にふらふらしてる。心臓に悪いよ………!

しかも周りの人とか後ろの車の人とかに見られたら怪しまれるし。






「どうやって開けてたんじゃ!?」


「運転席側のスイッチを……いや、カラクリを操作すれば開閉できるんだよ」




どうにかちゃんと席に座り、すごくキラキラした眼で私を見る政宗にそう言って、窓の開閉は助手席でも好きなようにできるよ、と付け加えて説明した。











「後ろの席の窓も開けられるから。暑かったり、外の空気を吸いたい時は自由に開けてね」






早速ノリノリで窓を上下させ始めた政宗は置いといて、後部座席の二人にも説明すると、二人も窓を開けた。

















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