Undaily!
□第20話
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「………どういうカラクリなのか分からん」
清正は少し眉をしかめてそう言った。
「まぁ、仕組みについては徐々に知っていけばいいから」
「馬より、乗り心地も良いな」
「そう?」
私は馬に乗った事が無いから分からないけど……と、元親に返事をした。
まぁ馬は上下に揺れるみたいだし……。
元親は現代の物に慣れるのが速いな。
「あ、でも車酔いって言って、気分が悪くなったりするからその時は教えてね。特に政宗は気を付けて」
「板が光っておるぞ!」
聞いてないし政宗。なんか電光掲示板に興奮してるし。
板という表現をされたから何の事か一瞬分からなかったじゃないか。
まぁ、これだけ外の景色に気が取られてたら車酔いは大丈夫かもしれない。
―――――――………
――――…
「着いたよ!」
いつもより時間がかかったが、どうにか目的地のデパートに到着した。
あの後も、政宗がルームミラーをいじったせいでかなり慌てふためいたりと、一悶着、二悶着くらいあったけど……どうにか………どうにか無事に辿り着いた……。
こんなに精神的に疲れるドライブは初めてだ…。
明日車に乗るのは義トリオだから、今回ほどバタバタしないと思うが………一応覚悟しておこう。
「おぉ……!ここがこの世界での市井か!」
「………不気味な建物だな」
「一つの建物で様々な物が買えるのか。便利だな」
デパートを見ての第一声。政宗・清正・元親の順である。
清正は何事でもとりあえず一回不審に思うんだな……。
というかこの台詞こそ現代では怪しい。誰かに聞かれていたらそれこそ不審じゃないか、と思って周りを見渡したが、幸い近くに人はいなかった。
「じゃあ行くよー」
立ち止まったままデパートに釘付けになっている三人の横を通って先頭に立つと、三人はぞろぞろとついて来た。
…………なんだか、SPに護衛されている気分だ。
「この建物……入り口はどこなんじゃ?」
後ろにいた政宗が私の隣に来てそう言った。
「入り口?入り口はすぐそこだよ」
もう自動ドアの近くまで来ているので、私は自動ドアに向かって指をさした。
「あ、政宗、言っとくけど…透明に見えるけどガラスの扉があるからね、そのまま突き進んで行ったら扉にぶつかるから」
窓みたいなものだよ、と付け加えたけど、たぶん政宗は分かって……ない。
自動ドア……驚くだろうな。
元親・清正も呆然とするだろうな。
しかし驚いて立ち止まったりされては迷惑になりかねない。
どうにか強引に連れて入らなくては……………。
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