□夢を泳ぐ少女
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織姫は驚いていた。
恐らくそれは、今までで1番驚いている事態かもしれない。いや事件だ。まさにこの事態によって跳ね上がった織姫の心臓は今にも飛び出してしまいそうだった。



自分の膝の上で静かに眠るのは…
ウルキオラ。



しばらく思考は停止し、動揺すら隠せずにいたのだけれど、どうやらウルキオラは本当に眠っている様子。瞳は伏せられたまま微動だにしない。



「……ウルキオラさん………。」



そうっと。
そっと触れてみる。


彼にちゃんと触れたのはこれが初めてのことだった。

やはり全く反応がない。

低温な体温に、寝息もたてずに眠る彼はまるで死んでいるのではないかと錯覚さえ起こしてしまう。

しかし、微かにだが上下する喉仏。





「どうしょう‥‥ あたし‥‥」





どうしょうもなく嬉しい!

あまりの嬉しさに織姫の体は震え、そこに最高の微笑みを咲かせる。




「どんな夢を見てるんですか?
 ……2人で一緒の夢を見れたらいいのに。」





それは、織姫の口から出た切なる願い、紛れもない本音だった。







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