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□三日月散歩道。
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「ウルキオラさん!」
「なんだ?」
「お散歩したいです。」
「……………。」
「外ですよ?」
「知っている。」
織姫は知っていた。
彼は自分が頼んだことを忠実に聞いてくれる。
まるで、忠実な執事のように。
「うは〜、なにもない。」
「当然だ。」
彼は、相変わらず無表情でいて2人は虚圏を歩いているというのに1人は散歩で1人は・・・・。
今度はまるで、ペットとそのお目付け役。
それは間違いではない。
織姫は嬉しそうに散歩を楽しんでいる様子で。
その数歩後ろをまるで鉄仮面でも付けているかのような破面の男。
その本来はあり得るはずのない光景は不思議な程、とても自然なもののようであって、
そう。今の2人の姿は、
姫と執事ではなく、
ペットとお目付け役でもなく、
人間と破面でもなく、
恋人同士。
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