● N o v e L ●
□ゴ キ ゲ ン ド リ
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彼女はいつも、
彼に新しいモノを運んで来る。
彼女はいつも、
彼が知り得なかったことを教えてくれる。
そう。
いつだって彼女は彼に、刺激を与え続けているのだ。
初めは不快だった。
初めは理解不能だった。
「なにかいいことでもあったんですか?」
「!」
「なんだかゴキゲンだから。」
「随分と,
勝手な事を言ってくれるな。」
「それに、いつもより雰囲気が優しいです。」
「生憎だが、俺はそんな感情持ち合わせていない。」
「そうかなぁ?
気付いてないだけかもですよ。
それか、気付かないフリをしてるだけか。」
本来の彼ならば無駄口の過ぎる彼女を一瞬で黙らせていただろう。
だが彼はそうしなかった。
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