短編
□あわれな子羊
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近くで喚かれるのが嫌になったのか、遥はキーボードを打つ手を止めて だるそーに立ち上がった。
「…ほら、買いに行くよ。花火」
「おうよ!!」
勝った!!とうとう遥に勝った!!
俺はニッコニコ顔で近くのスーパーで花火を買いまくった。
ふと気がつくと遥が俺から離れて一人でアイス買って食ってたのは悲しかったけど
そんな事も忘れてしまうくらい俺は浮かれていた。
花火 花火
遥と花火ー♪
・ ・ ・ ・ ・
……って。
「何で風呂場でなんだよ!」
「外暑いもん」
騙されたっ というより迂闊だった…。
そうだよ。コイツはこんな奴なんだよ。畜生。
「早くおいで。青」
「わーったよ!」
俺はヤケクソになって遥が手招きしている浴槽の中に飛び込んだ。