ビヨリ短編集

□ウォンチュー+
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「おーい、妹子ー。妹子やーい」

せっかくの休暇だというのに、アホの声で目が覚めた。
こんな朝っぱらから…何なんだよあのアホは。

コッソリと窓から外を覗くと、相変わらずの間抜けなジャージ姿でアホは立っていた。

ああ…出たくないなぁ、関わりたくないなぁー…
でもこの前居留守使ったら何を思ったんだか、突然家の前でキャンプファイヤー始めたんだよな。

またあんなことになったら面倒だ…。
仕方ない、出よう。


「妹子ーいーもいも、芋野妹子ー」


「うるさい! 誰が芋野妹子ですかっ」

「何だ、居るなら早く出ろよ全く」

小憎たらしい膨れっ面を浮かべながらアホの太子は断りもなくズカズカと家に上がり込む。


「おい、妹子。お茶が飲みたい。持ってこい」


……雑巾の絞り汁を入れてやろうか。
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