短編
□血まみれ王子+
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「また殺したのか」
玄関から音がしたので向かってみるとそこには血まみれの少年が立っていた。
白い髪と肌は目がチカチカするくらい鮮やかな赤に染まっている。
ニッコリと子供らしく笑っているのから見てコイツ自身はかすり傷すら負ってないらしい。
誰のかもわからない大量の血を浴びてニコニコ笑っているその姿は残酷で不気味だった。
“キヨシ”なんて名前をつけてしまったコイツの親を不憫に思う。
──べちゃ
キヨシは血濡れた足のまま床に上がり込む。
「はあ…。誰が掃除すんだよそれ」
溜め息混じりに呟くとキヨシは何食わぬ顔で俺を指差した。
「たまにはお前が拭けよっ」