短編集

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校舎裏の錆びれた非常口階段。

その階段の踊り場に大の字に寝そべり、初夏の清々しい風を受けながら目を閉じ、グラウンドから聞こえてくる生徒たちの声をまどろんだ意識の中で聞き流している一人の女子生徒、山内沙希。

それを教師の青井は呆れ顔で見上げていた。


「…おーい、山内ーっ」

青井の声で沙希はぼんやりと薄目を開けた。
が、またすぐに目を閉じ意識をうとうとと夢の中へ溶かしていく。


「こら。寝るなアホ」

カンカンと鉄骨の音を響かせ青井は沙希の元へ駆け寄る。


「一時間目から…しかも俺の授業をサボるとはいい度胸だな?」

「…んやー…無理。眠い。朝っぱらから勉強なんて無理」

「だからってこんな所で寝るか普通。…はあ、こんな太もも丸出しにして…。通りすがりの男子生徒に見つかったら確実にヤられるな」

「いやその考えおかしいから。脳内真っピンクだよこの変態教師」
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