ビヨリ短編集
□ウォンチュー+
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「ねぇ、このお茶変な味しない?ねぇ」
「気のせいですよ。そんな事より太子、要件は何ですか?」
「ああそうそう、昨日 隋から使者が来て手土産をいくつかもらったんだよ。
妹子にも一つくれてやろうと思ってな」
「え…土産を僕に?」
我が儘で自分勝手で色々臭い太子がまさか僕にそんな貴重なものを分けてくれるなんて…
何だかんだでやっぱり太子はいい人なんじゃ……
と、思いかけた瞬間
太子が取り出したものを見てその思いは一気に崩れ去っていった。
「何ですかそれ…」
「よくわかんない」
「わかんないってそれ明らかに…ってああっ!やめろ近づけんな!」
太子は朗らかに笑いながらグイグイと僕の頬にそれを押し付けてくる。
太子の手の中にあるもの…それは、毒々しいドクロの絵が描かれた 濃い青色の小瓶だった。