ビヨリ短編集

□バンパイアパワー+
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「しばらく見ない間に随分雰囲気が変わったな…」

「そうかい? そんなに男前になった?」

「いや、なってない」

「…あそう。ところで何の用?」

「あ、ああ…。同人誌の新作が出来たので見せようと思ってな」

オレは持ってきた『夢子とオレ2』を差し出す。


「…夢子とオレ…か。 …ふ、ふふっ、君は幸せだねぇ、毎週テレビで大好きな夢子ちゃんに会えるんだもんなぁ…ふふふ、ふふふっ」

突然、奇怪な笑い声を上げる小松に恐怖を感じたオレは無意識に後ずさった。

俯き肩を震わせ笑い続け、そしてピタリと笑いを止めたかと思うと小松はゆっくりと顔を上げオレを見据えてきた。

無表情だがその瞳には殺意にも似た狂気が秘められているようで、体中に凍り付くような悪寒が走る。
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