短編
□あわれな子羊
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『本日の最高気温は30度、雲一つなく今夜の花火大会はとても美しいものになるでしょう。』
──そんな訳で。
「花火大会行こうってばー!!なぁー!」
「断る」
一秒も待たずに俺の甘いおねだりはかき消された。
隣でジタバタしている俺を見向きもしないでパソコンと向き合っているコイツが問題の恋人、遥。
あ、ちなみに俺は青哉です。宜しく。
…にしても遥のこの態度…。
いつもながらに最低だ。
しかし、今日の俺はシツコイのだ。
「お前仕事ばっかで全然外出てねーじゃん!それ以上白くなってどーすんだよ!!」
「白を極めるさ」
「何言ってんだよ!!なー、夏を満喫しようってー!」
「人込みは疲れる」
「あっ!!じゃあ庭で花火しようぜ!!なあなあなあー!うんにゃーっ」
「…はあ…。しょうがないなー…」