短編集

□繋いで+
2ページ/12ページ

「ありえない話ではない。思春期の男子は侮れないからな」

「ああそう。それで先生は私が誰かにヤられちゃうんじゃないか心配で探しに来てくれたって訳ね」

冗談っぽく笑い、頭についた土埃を掃いながらのそりと上半身だけ起き上がった沙希に、すかさず青井は沙希の脚をまたいで膝をつき乱暴に沙希の両手を掴み後ろの手すりに押さえつけた。

突然の出来事に沙希は自分を鋭い目で見据える青井をただただ呆然と見つめ返すことしかできない。


「お前、俺の性格知っててワザと振り回してるだろ」

「…あ、バレた?」

前触れ無く無断で姿を消すと、心配性で束縛心の強い青井は必死になって沙希を追いかけ、探し出す。

それに優越感を感じ、幾度とこのようなことを繰り返してきた。

さすがに調子に乗りすぎたかな…と、沙希は苦笑いしながら青井を見上げる。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ