薔薇火刑

□血ノ涙
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夢に見ていた あの景色

輝きを帯びた 言の葉が

大地に響き渡る



涙、私は流す
争いを求め殺しあう種族

夢、私は殺す
叶わぬ願いを捨て生きる


今日もまた
幾つもの鼓動が消えた
一体幾夜藻掻いただろう
愛を信じた男たちは

闇の中
数多の女が売られた
何故泣き叫ばないのだろう
理不尽な世界を変えたかった


この世はとても滑稽で
誰が死んでも見向きもしない

寒空の下 今日も震え上がった
愛されてたい いつもあなたに
少しでも 希望あるのなら
深い闇に呑まれても


血、私は流す
終わりなき戦いのその中で

敵、私は殺す
彼方の未来のために


今夜もまた
命が灯り
一体幾夜泣いただろう
愛しい人を亡くした女は

明日もまた
血飛沫が舞い
月が嘆くだろう
虚空を泳ぐ鮮血を見て


この躰
あなたに捧ぐ供物とし
深く淡い眠りに憑きたい

夢に見た花園はすぐそばにある
祈り届かぬのなら
私も死のう
鮮血の花嫁姿の私は薔薇



闇に潜むこの躰

絶叫が地に響く


血ノ涙ハ流レ落チ

私ノ屍ハ墓へ行ク

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