emerjency
□第1話:復讐?んな根性あるか←
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「はい、ココア。」
「ん、ありがと。」
寮に戻り、共有スペースのソファに座ると同室者である中村樹(ナカムラ ミキ)ことミキが俺の前にココアを置き、向かい側に座る。
ミキは今や俺の唯一の友達。見た目はツーブロック&オッドアイ&アシメというちょっとヤバそうだけど人当たりがよく人気者だったりする。
特に話す内容もなく無音の状態が暫く続く。
…というかさっきからミキの視線がイタいのだが、、ココア飲みながら悲しそうな顔をされても俺にはなにも←
「…なに??」
この空気に耐えきれずに思い切って聞いてみる。
「俺にちゃんと本心見せてよ…なんでいつも平気そうな顔してんだよ。」
なんだ、そんなことか。
「俺が辛いって言ったらミキは余計悲しくなるんじゃないの。」
「そんな事…」
「こういうの慣れてるから平気だし助けなんか絶対いらない。心配してくれてありがとう。」
相変わらず俺って冷めてるよなぁとか自分でも思うんだよね。表面では良い顔してるけどいざ素を出すと驚かれる。
あああほらー重っ苦しい雰囲気になっちゃったよ…どないしよ。
さっきから感情の読めない表情を浮かべていたミキが意を決したように口を開く。
「惚れさせれば?」
「…は??」
馬鹿なの?頭おかしくなっちゃったの??惚れ…なんと?なんで嫌いな奴らに惚れられいや無理だろ(笑
「んで、告白されたらフる。これって立派な復讐にならない??」
「まず惚れさせるのが不可能だろ…みんなマリモの大ファンだぜ?俺、地味男だし。」
そこで何故かミキは二カッと笑う。
「よく見ればフミって顔整ってるし…接し方次第で変わるんじゃない??うん、これなら勝つるぞ!!」
「あー、、うん、お疲れ様です。」
「いや、絶対大丈夫だよ!この状態がこれからずっと続くとか辛いでしょ??俺、もうこれ以上友達が1人で傷つく所なんて見たくない。やろう、いやもうやるしかない、ていうかやれ。」
「あ、はい。」
これってミキなりに俺を助けたくて言ってんだよな。
うん、惚れさせるとか無理だろうけど友達がこれだけ言ってるならやってみるか。
なんで自分の事なのにこんなに他人行儀なんだよ(笑)
自分がどうでもいいとか…誰にも言えないし。