starry☆sky

□気持ちの整理
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「俺、書記と付き合うことになった!」

そう言って、満面の笑みを浮かべた顔の翼が僕の頭から離れない。

「良かったじゃん。翼、本当に好きだったもんな」
「うぬ。書記と付き合えるようになったのは梓のおかげだ。ありがとな梓!!」
「どう致しまして。大切にしなよ?」
「分かってる」

……今でもその時の会話を覚えてる。もう3ヶ月も前の話なのに。

「はぁー」

二人が付き合うのは時間の問題だった。
分かっていたことだった。実際僕がくっ付けたようなもんだしさ。
でも…
僕は翼が好きだった。
どうしようもない位に。
その気持ちは今でも変わらない。でも、その事が凄く苦しい。

「叶わないって分かってたのになぁ」

言葉と涙が流れ落ちる。それと同時に僕の中で黒い感情が渦巻いた。
あぁ、嫌だ。こんな感情知りたくなかったのに。
2人が付き合えばこの感情は無くなると思ってた。それが無理でも、諦めることは出来ると思ってた。なのに…。

「いつになったら諦められるかな…」

呟いても誰も答えてはくれない。当たり前だけどさ。
きっと2人を見たら僕はこの黒い感情で一杯になるんだろうな。

ごめんなさい、先輩
ごめんね、翼

いつかきっと心から祝福するから、その時は2人を見てもこんな黒い感情なんかおきない様にするから。
今はまだ翼を好きでいさせて。ちゃんと諦めるから。
誰に誓うわけでもなくそう言って、僕はベッドに埋もれた。





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