くっされほりでい。

□再会
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放課後の帰り道…。
上り坂でもないのに徒歩で自転車を引きながら俺は住宅街をゆっくりと歩いていた。陰気臭いほどに静まり返った団地にチャリチャリと車輪がゆっくり回る音と、俺の足音だけが響いていた。
厳しい冬を越え、暖かい春が来た今、木々は緑を繁らせ始め木の葉が芽吹いた。そしてこの俺、青鈴蒼之丞も恐怖の赤点者スクーリングを経て進級会議にも見事合格して無事高校2年生に進級することができた。凄いだろ!わははは!!
だが、高2になった今でも俺には春を迎えた植物達のような変化はない。クラスのメンバーや担任教諭など、1年の時とほぼ同じ。でも代わり映えがないそんな毎日こそが俺の何よりの幸せの日々なのかもしれない。
 

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