蝶々棚
□あの日引っかかったもの
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波亘理那乃(ハワタリ ナノ)天然くるくるパーマがコンプレックスな12歳。
今日から中学生です。
なのに…最悪な事態発生!
入学式早々、このくるくる髪が引っかかっちゃいました。
なぜか、男子の制服のボタンに…(泣)
―
私がこんなくるくる髪だからか、小学校の時についたあだ名が『アサガオ』
アサガオの蔓みたいに私の髪はいろんな所に絡まった。
棒とか枝とかボタンとかボタンとかボタンとか…
でも絡まった人はたいてい迷惑そうなので、私はいつも無理矢理、髪を引っ張って取る。
―
周りの人の囁きが聞こえる。
「わあ!あの2人抱き合ってる?」
「違うよ!?絡まってるらしい感じ…」
「うわ、大胆なヤツらもいるぜ!」
しかし、那乃の耳にはこう聞こえる。
『うわ〜…絡まってる(笑)』
『…あの髪じゃさ、引っかかるよね!?』
『何アレ?(笑)アサガオみたい…』
う…Σどうしよう(泣)
羞恥がこみ上げてきて、那乃はついに行動を起こした。
――ブチッ!!
那乃は自ら髪を引きちぎった。